2023年08月28日

[追想2]印刷会社の会社案内から(1993年)

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写真は、鶴ヶ島市にある有限会社東京工芸社の、1993年発行の「会社案内」の部分です。当時、私は「REJOICE!」という小冊子を東京工芸社で印刷してもらっていたので、その時にいただいたものだと思います。
東京工芸社は、創業時は金属活字版印刷でしたが、手動写植機を導入し、この会社案内を作った時点では、電算写植システムが主流になっていたようです。現在では電算写植システムはなくなり、全面的にDTPへ切り替えられています。
あるTwitterアカウントで、写植について手動写植機の機構を詳しく説明したのちに、「今まで文字盤しかなかったが、ようやくデジタル化が始まる」と書いてあるのを見て、あれ、Cフォントは無視なのかと思った人も多いはずです。
活字書体の記憶媒体から見ても、手動写植機と電算写植システムでは大きく違っています。ざっくり言うと、手動写植機は文字盤(アナログ)であり、電算写植システムはCフォント(デジタル)です。その移行は、すでに文字盤として発売していたものをCフォントに変換した時期、文字盤とCフォントを同時に発売していた時期、Cフォントのみを発売した時期に分けられます。
私の個人的な感覚ですが、10代:金属活字の時代、20代:手動写植機(文字盤)の時代、30代:電算写植システム(Cフォント)の時代、40代:DTP(TrueTypeフォント等)の時代に分けられると思っています。もちろんこんなにはっきり分けられるわけではありませんが、とかく埋もれてしまいがちな電算写植システムの時代を、しっかりと組み込んでおきたいと思うのです。
posted by 今田欣一 at 08:07| 活字書体打ち明け話・2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする