2023年07月25日

[追想序]タイポスと弘田三枝子と

「タイポス」は私を活字書体の世界へ誘った書体です。弘田三枝子さんの『ミコのカロリーBOOK』(久我三郎編、集団形星、1970年)の本文書体にも使われていました。

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私の卒業研究(1977年)のテキスト部分はタイポス35+石井細明朝体で組んでいます。今から見れば稚拙な文章ですが、その写植印字物は今でもファイルに入れて大切に保存しています。

「タイポス」の制作者の一人である林隆男さんと初めてお会いしたのは1990年、イギリス・オックスフォードの街角でした。お会いしたというより、すれ違ったという程度でしたが。そのとき、高田裕美さんも同行されていたようです。
林隆男さんが設立した株式会社タイプバンク。高田裕美さんの『奇跡のフォント』(時事通信出版局、2023年)は、タイプバンクの興亡史として読んでも面白いと思います。また日本におけるタイプ・ファウンドリーの現状についての記録でもあります。
posted by 今田欣一 at 08:37| 活字書体打ち明け話・序 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする