2020年10月21日

「花蓮華」「花胡蝶」「花牡丹」

BR03-12.jpg
「花蓮華M」

BR03-11.jpg
「花胡蝶M」

BR03-10.jpg
「花牡丹DB」

「花蓮華」「花胡蝶」「花牡丹」は、リョービタイプコレクション「伝統書体シリーズ」としてリョービイマジクス株式会社から2003年に発売された。そのパッケージには、リョービ株式会社・リョービイマジクス株式会社・文鼎科技開発股份有限公司の共同開発と記載されている。実際には、漢字、欧字は台湾の文鼎科技開発股份有限公司(英文表記:ARPHIC)がデザインし、和字書体を私が制作したものである。
「花蓮華」は、明治期の木版の教科書『尋常小学修身教範巻四』(普及舎、1894年)に登場した和字の流麗な字様を参考とした。「花胡蝶」は、リョービ書体の原型をなす「晃文堂明朝体五号」の金属活字の清刷りをベースに設計した。「花牡丹」もリョービ・ゴシックシリーズを援用して、波磔を強調しない抑制をきかせたデザインとした。
2011年11月にリョービイマジクス株式会社から株式会社モリサワに事業譲渡され、「花蓮華」「花胡蝶」「花牡丹」は、現在では株式会社モリサワで販売されている。なおリョービイマジクス株式会社は2012年にリョービ株式会社に吸収合併されている。


posted by 今田欣一 at 08:54| 活字書体の履歴書・第3章(1994–2003) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする