タイポグラフィ(活字組版術)について
『日本のタイポグラフィ 活字・写植の技術と理論』
(佐藤敬之輔著、紀伊国屋書店、1972年)
目次T
1. タイポグラフィとは
2. 日本文の活字表現
3. 活字の種類と性格分析
4. 書体
5. 組みの基本
6. レイアウト(割付け)
7. 内容表現への要求
8. ページ物レイアウト
9. 印刷効果
10. レイアウト原則
11. 可読性研究
12. 漢字の単化
※このほか、下記のような目次もあり、理解しやすくする工夫が見られる。
目次U 技術項目の索引
目次V How to 索引
目次W 書体見本・組み見本・タイポグラフィ実例
佐藤敬之輔氏は、本書で「活字という物体は印刷機械の部分品である、と同時に組んで印刷すれば文章として読まれるものになる」と書いている。
typeKIDSで行なう活版工場見学や写植工房見学では、タイポグラフィの基本を再確認することを目的としている。そして、typeKIDSの今後の活動内容も、本書の「活字・写植の技術と理論」以降のデジタル・タイプセッティングを含めた検討を行なっていこうと考えている。
なお、佐藤敬之輔氏は「広義のタイポグラフィ」として、手書き(書字)や、木版印刷、ロゴタイプなどのレタリング領域も含めている。おそらく日本レタリングデザイナー協会を日本タイポグラフィ協会に改称するにあたって、その会員の大半を占めるレタリングデザイナーに配慮し、「広義の…」という考え方にしたのではないかと勝手に想像している。筆者は、この点については賛同できない。