「セイム」は、欧字書体のローマン体、漢字書体の現代明朝体と組みあわせる和字書体として制作したものである。つぎに、欧字書体のサンセリフ体、漢字書体の黒体(現代ゴシック体)と組みあわせる和字書体として、「テンガ」を制作した。また、欧字書体のスラブセリフ体、漢字書体の黒宋体(現代アンチック体)と組みあわせる和字書体として「ウダイ」を制作した。
『レタリング 上手な字を書く最短コース』(谷欣伍著、アトリエ出版社、1982年)の本文に使われていた試作書体からひらめいて、現代的な明朝体、ゴシック体などに組み合わせられるように設計した。
制作した当初、漢字書体は平成書体を念頭に考えていたので、ウエイトもそれぞれ、W3、W5、W7、W9を制作している。平成明朝、平成ゴシックはあるが、平成アンチックは制作されていない。そもそも漢字書体のアンチック体など、当時は存在しなかったのだから仕方のないことだ。
どこかで、○○明朝ファミリー、○○ゴシックファミリー、○○アンチックファミリーが揃ったとき、「セイム」「テンガ」「ウダイ」の更なる展開が期待できる。「ウダイ」は一番人気があるので、なおさらそう思うのである。