国文学研究資料館「書物で見る日本古典文学史」
ギャラリートーク 恋田知子助教
上代(奈良時代)から明治時代の初期までの文学を、教科書でなじみの深い作品を中心に、写本の表情や、版本の風合いに触れながら、豊かな日本古典文学史をたどるという企画でした。

数名の女子大生(たぶん)とともに、恋田知子さんのわかりやすい説明を聞きながら、1時間ほど展示を見てまわりました。
展示内容
T 上代の文学 文学史では平安時代より前を上代と呼ぶ
U 中古の文学 文学史では平安時代を中古と呼ぶ
V 中世の文学 中世は12世紀末から16世紀までを指す
W 近世の文学 近世は17世紀初頭から19世紀後半までを指す
X 近代の文学 近代は明治時代以降をいう
(今回の展示は「日本古典文学史」ということなので、書写された、あるいは出版された年の順ではなくて、その古典文学が書かれた年代順になっていました)

特設コーナー
カタカナ本とひらがな本
個人的に注目したのが、カタカナ本とひらがな本の両方で出版された書物でした。たとえば『平家物語』は、江戸初期の古活字版でカタカナ本とひらがな本が並行して出版されているのです。江戸時代になると、本来はカタカナで出版されていた軍記や宗教の本などがひらがな本でも出版されるようになったということです。同じ文章でも、カタカナ本とひらがな本ではイメージがまったく異なっていました。
もうひとつの通常展示「和書のさまざま」は3月に訪れましたが、合わせて見ることで、さらにわかりやすくなると思いました。