姜尋さんの木版印刷の工房「煮雨山房」を訪問。

木版印刷とは、木の板に文章または絵を彫って版を作る、凸版印刷の一種である。中国では雕版印刷というそうだ。
「煮雨山房」見学
1 彫刻
木版印刷の版木。作業中のもので、左側が彫り終えた行、右側がこれから彫る行。写真ではわかりづらいが、薄い紙に文字を書いて、それを裏返しにして貼っている。

彫刻刀で版木を彫っているところ。この版木は梨だそうだ。硬い木なので彫刻するには力が入る。


2 印刷
版木に墨や絵の具などを塗り、紙をあてて上から馬楝(ばれん)で摺って制作する。日本の馬楝(写真右)は芯を竹の皮で包んだものだが、中国では狭く長い刷毛(写真左)または櫛形刷毛で摺るそうだ。

木版印刷の版木と印刷物。彫りが深いのは、印刷部数を多くするためとのことだ。

3 製本
こちらは伝統的な線装(袋とじ)による装幀の工房。

木版印刷による出版物
煮雨山房で製作された木版印刷の書物のひとつ、ノーベル文学賞作家の莫言氏の著書『大風』を見せていただいた。

ところどころに剪紙があしらわれている。

線装(袋とじ)。この複雑な綴じ方は姜さんの創案によるものだそうだ。

帙も凝りに凝っている。

姜さんは、このほかにも次々に版木や書物を出してきて説明してくれた。


「模範書局」見学
「模範書局」という姜さんのショップ兼ギャラリーにも案内していただいた。

姜さんを囲んでの記念写真。
