2016年03月17日

現代に生きる木版印刷〈煮雨山房芸術文化有限公司〉

2016年1月11日(月曜日)

姜尋さんの木版印刷の工房「煮雨山房」を訪問。

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木版印刷とは、木の板に文章または絵を彫って版を作る、凸版印刷の一種である。中国では雕版印刷というそうだ。


「煮雨山房」見学

1 彫刻

木版印刷の版木。作業中のもので、左側が彫り終えた行、右側がこれから彫る行。写真ではわかりづらいが、薄い紙に文字を書いて、それを裏返しにして貼っている。

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彫刻刀で版木を彫っているところ。この版木は梨だそうだ。硬い木なので彫刻するには力が入る。

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2 印刷

版木に墨や絵の具などを塗り、紙をあてて上から馬楝(ばれん)で摺って制作する。日本の馬楝(写真右)は芯を竹の皮で包んだものだが、中国では狭く長い刷毛(写真左)または櫛形刷毛で摺るそうだ。

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木版印刷の版木と印刷物。彫りが深いのは、印刷部数を多くするためとのことだ。

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3 製本

こちらは伝統的な線装(袋とじ)による装幀の工房。

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木版印刷による出版物

煮雨山房で製作された木版印刷の書物のひとつ、ノーベル文学賞作家の莫言氏の著書『大風』を見せていただいた。

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ところどころに剪紙があしらわれている。

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線装(袋とじ)。この複雑な綴じ方は姜さんの創案によるものだそうだ。

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帙も凝りに凝っている。

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姜さんは、このほかにも次々に版木や書物を出してきて説明してくれた。

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「模範書局」見学

「模範書局」という姜さんのショップ兼ギャラリーにも案内していただいた。

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姜さんを囲んでの記念写真。

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posted by 今田欣一 at 13:01| 漫遊◇文字と旅と | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする