日時: 2015年2月22日(日) 16時45分集合
場所: 中野ブロードウェイ
「あッ!3Dプリンター屋だッ!!」東京メイカー×ストーンスープ
今回はひらがな48本、漢字12本、計60本を製作するので、用意した3Dデータ(STLデータ)を東京メイカーに送り、出力しておいてもらった。素材は前回のテストで使用したのと同じABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを重合させてつくられる樹脂)だが、色はシルバーがなかったのでホワイトということになった。
予定の時間には出来上がっていて、無事に受け取ることができた。

●Adana21J卓上活版印刷機による印刷
日時: 2015年2月28日(土) 12時45分集合
場所: 東京・表参道 東京アナログラボ
「いろはうた」を組んでみることにした。印刷機で一度には刷れないので、2回にわけることにした。

●ひらがな1
いろはにほへと
ちりぬるを
わかよたれそ
つねならむ
●ひらがな2
うゐのおくやま
けふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせすん
東京アナログラボ所有のAdana21Jにセットして印刷してみる。

表面が平滑でないため、きれいに印刷できない。表面をサンド・ペーパーで削り、なめらかにしてみた。印刷を繰り返しながら調整していった。さらに、テープで微妙に高さを調整していくことになった。何度か試行錯誤を繰り返したがうまくいかない。
いまさらながらパーソナル3Dプリンターの限界を感じたのであった。活字は、微妙な高さの違い、傾きがあると、ちゃんと印刷できないのだ。活字のボディの大切さ、活字組版の難しさをあらためて思い知ったのである。

それでもなんとかしたかった。どうしてもはっきりと印刷したかったので、1行ずつ版をわけて印刷することにした。何度も、何度も調整して、すべての行を印刷し終えた時には、はじめてから10時間以上が過ぎていた。



漢字かな交じり文も印刷する予定だった。ところが画数の多い漢字はつぶれてしまっており、きちんと印刷できないということがわかった。また、時間的にもむずかしかったので、今回は試し刷りの段階までということになった。
激闘に驚き
いつしか永機は
東の囲まれた室て
毛辺紙を調へる
※永機(1823-1904)は幕末・明治の俳人、毛辺紙は竹を材料とした紙の種類のこと
書体見本の12字をすべて使い切り、ひらがなを重複させないでできるだけ多く使うという条件で作った文案である。濁音・半濁音の文字がないのでやや苦しいが、だいたいのイメージはつかめると思う。
●typeKIDS Exhibition 準備
日時: 2015年3月7日(土) 15時15分−17時15分
場所: 新宿区榎町地域センター 大会議室B
今月の例会は、展示の準備にあてた。

印刷に使った樹脂活字をきれいに拭いて、ならべて固定していった。印刷物はカードケースに入れることにした。ひらがなの下書き、原字はもとより、できているところまでのカタカナ、漢字の下書きもファイルに入れて展示することにした。
●typeKIDS Exhibition 搬入
日時: 2015年3月7日(土) 18時集合
場所: 東京・表参道 表参道画廊+MUSÉE F
表参道に移動して、展示作業。「初号活字制作プロジェクト」のコーナーは、白い展示台ということになった。

展示物
1 下書き、原字のファイル
2 3Dプリンターによる樹脂製活字 ひらがな48字、漢字12字
3 印刷物(いろはうた、漢字ひらがな交じり文)
4 説明文
●typeKIDS Exhibition 展示
会期: 2015年3月9日−14日(土) 12時−19時(最終日は17時)
場所: 東京・表参道 表参道画廊+MUSÉE F
(おわり)
お知らせ
本ブログでの連載記事「初号活字をつくろう!「貘1973」制作プロジェクト」は、今回をもって終了することになりました。
プロジェクト自体はまだまだ継続します。ひらがなだけではなく、カタカナ、漢字、さらには欧字の制作が進行中です。これらが揃ってこそ、日本語の活字組版が実現されることになるのです。
しかしながら、パーソナル3Dプリンターの限界を感じたので、今後は新たな活字製作の方法を模索して行くことになるでしょう。初号活字ということにこだわらずにチャレンジを続けていきたいと思います。
※ブログ「typeKIDS」でときどきレポートしますので、ひきつづきお読みいただきたいと思います。