「書道専攻科講座」では、「楷書編」「行書編」「草書編」「かな編」に「篆隷編」が加わります。それぞれの教科書と学習指導書により、より深い学習を行うということでした。受講期間は24ヶ月です。課題の提出は、各編5回と総括課題の計6回+最終終了試験課題の合計31回。しかも、各回の課題はそれぞれ正・副2枚を提出しなければなりませんでした。
なかなか「ごっつええ漢字」とはいきませんでしたが、とくに楷書、行書、隷書、の3書体は、活字書体の基本としても学習することは必須だということを再認識しました。
その課題内容を簡単にまとめてみます。
一 楷書編
「書道基礎科講座」では、欧陽詢の「九成宮醴泉銘」、褚遂良の「孟法師碑」、顔真卿の「麻姑仙壇記」などの臨書が中心でしたが、「書道専攻科講座」でも、北魏、初唐をはじめ、さらに多くの書風を理解し、臨書をすることから始まりました。
1期課題 楷書の基本用筆を正しくして半紙に清書する
2期課題 臨書課題「高貞碑」を半紙に清書する
3期課題 臨書課題「雁塔聖教序」を半紙に清書する
4期課題 「論経書詩」を参考にして画仙紙半切二分の一の大きさに書く
5期課題 蘇東坡の詩を、楷書で画仙紙半切に書く
総括課題 1期課題をもう一度書く
二 行書編、草書編
「書道基礎科講座」では、太宗皇帝の「晋祠銘」、趙子昂の「行書千字文」、王羲之の「蘭亭叙」から選んで臨書することなどでしたが、「書道専攻科講座」でも、筆が大きく旋回、躍動する「気脈」を会得することが説かれました。
行書:
1期課題 行書の基本用筆を正しくして半紙に清書する
2期課題 臨書課題「集王聖教序」を半紙に清書する
3期課題 臨書課題「杜家立成雑書要略」を半紙に清書する
4期課題 「争坐位稿」を参考にして画仙紙半切二分の一の大きさに書く
5期課題 陸遊の詩を、行書で画仙紙半切に書く
総括課題 1期課題をもう一度書く
草書:
1期課題 草書の基本用筆を正しくして半紙に清書する
2期課題 臨書課題「十七帖」を半紙に清書する
3期課題 臨書課題「風信帖」を半紙に清書する
4期課題 「書譜」を参考にして画仙紙半切二分の一の大きさに書く
5期課題 杜荀鶴の詩を、草書で画仙紙半切に書く
総括課題 1期課題をもう一度書く
草書も「書道基礎科講座」にありましたが、「書道専攻科講座」にもあります。字形に変化が多いし、類似の字形が多くあるので、文字を正しく学ばなければなりませんでした。
三 隷書編、篆書編
隷書は、看板、石碑、表札などに使用されていますが、あまり一般的なものではありません。ですから「書道基礎科講座」にはなく、「書道専攻科講座」でやっと登場します。楷書と違った筆法は、活字書体のゴシック体に通じることがあると思い、ぜひ学習したいと思っていました。「書道専攻科講座」は隷書があったからこそ受講したようなものです。
1期課題 隷書の基本用筆を正しくして半紙に書く
2期課題 臨書課題「西狭頌」を半紙に清書する
3期課題 「曹全碑」を参考にして画仙紙半切二分の一の大きさに書く
4期課題 篆書の基本用筆を正しくして半紙に書く
5期課題 課題の語句を、隷書(篆書)で画仙紙半切に書く
総括課題 1期課題をもう一度書く
篆書は、4期課題の「篆書の基本用筆を正しくして半紙に書く」だけで、それほど深くは学びません。篆刻入門講座で、少し詳しく学習することになります。