2015年03月08日

初号活字をつくろう! March 2015

●3Dプリンターによる樹脂活字製作
日時: 2015年2月22日(日) 16時45分集合
場所: 中野ブロードウェイ
    「あッ!3Dプリンター屋だッ!!」東京メイカー×ストーンスープ

今回はひらがな48本、漢字12本、計60本を製作するので、用意した3Dデータ(STLデータ)を東京メイカーに送り、出力しておいてもらった。素材は前回のテストで使用したのと同じABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを重合させてつくられる樹脂)だが、色はシルバーがなかったのでホワイトということになった。
予定の時間には出来上がっていて、無事に受け取ることができた。

type18-1.jpg


●Adana21J卓上活版印刷機による印刷
日時: 2015年2月28日(土) 12時45分集合
場所: 東京・表参道 東京アナログラボ
    
「いろはうた」を組んでみることにした。印刷機で一度には刷れないので、2回にわけることにした。

type18-2.jpg

●ひらがな1
いろはにほへと
ちりぬるを
わかよたれそ
つねならむ

●ひらがな2
うゐのおくやま
けふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせすん


東京アナログラボ所有のAdana21Jにセットして印刷してみる。

type18-3.jpg

表面が平滑でないため、きれいに印刷できない。表面をサンド・ペーパーで削り、なめらかにしてみた。印刷を繰り返しながら調整していった。さらに、テープで微妙に高さを調整していくことになった。何度か試行錯誤を繰り返したがうまくいかない。
いまさらながらパーソナル3Dプリンターの限界を感じたのであった。活字は、微妙な高さの違い、傾きがあると、ちゃんと印刷できないのだ。活字のボディの大切さ、活字組版の難しさをあらためて思い知ったのである。

type18-4.jpg


それでもなんとかしたかった。どうしてもはっきりと印刷したかったので、1行ずつ版をわけて印刷することにした。何度も、何度も調整して、すべての行を印刷し終えた時には、はじめてから10時間以上が過ぎていた。

type18-5.jpg

type18-7.jpg

type18-8.jpg


漢字かな交じり文も印刷する予定だった。ところが画数の多い漢字はつぶれてしまっており、きちんと印刷できないということがわかった。また、時間的にもむずかしかったので、今回は試し刷りの段階までということになった。

激闘に驚き
いつしか永機は
東の囲まれた室て
毛辺紙を調へる
※永機(1823-1904)は幕末・明治の俳人、毛辺紙は竹を材料とした紙の種類のこと

書体見本の12字をすべて使い切り、ひらがなを重複させないでできるだけ多く使うという条件で作った文案である。濁音・半濁音の文字がないのでやや苦しいが、だいたいのイメージはつかめると思う。


●typeKIDS Exhibition 準備

日時: 2015年3月7日(土) 15時15分−17時15分
場所: 新宿区榎町地域センター 大会議室B

今月の例会は、展示の準備にあてた。

type18-9.jpg

印刷に使った樹脂活字をきれいに拭いて、ならべて固定していった。印刷物はカードケースに入れることにした。ひらがなの下書き、原字はもとより、できているところまでのカタカナ、漢字の下書きもファイルに入れて展示することにした。


●typeKIDS Exhibition 搬入

日時: 2015年3月7日(土) 18時集合
場所: 東京・表参道 表参道画廊+MUSÉE F
    
表参道に移動して、展示作業。「初号活字制作プロジェクト」のコーナーは、白い展示台ということになった。

type18-10.jpg
展示物
1 下書き、原字のファイル
2 3Dプリンターによる樹脂製活字 ひらがな48字、漢字12字
3 印刷物(いろはうた、漢字ひらがな交じり文)
4 説明文



●typeKIDS Exhibition 展示

会期: 2015年3月9日−14日(土) 12時−19時(最終日は17時)
場所: 東京・表参道 表参道画廊+MUSÉE F
    
(おわり)


お知らせ
本ブログでの連載記事「初号活字をつくろう!「貘1973」制作プロジェクト」は、今回をもって終了することになりました。
プロジェクト自体はまだまだ継続します。ひらがなだけではなく、カタカナ、漢字、さらには欧字の制作が進行中です。これらが揃ってこそ、日本語の活字組版が実現されることになるのです。
しかしながら、パーソナル3Dプリンターの限界を感じたので、今後は新たな活字製作の方法を模索して行くことになるでしょう。初号活字ということにこだわらずにチャレンジを続けていきたいと思います。

※ブログ「typeKIDS」でときどきレポートしますので、ひきつづきお読みいただきたいと思います。
posted by 今田欣一 at 10:08| ワークショップへようこそ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月16日

初号活字をつくろう! February 2015

日時: 2015年2月15日(日) 17時30分−19時30分
場所: 新宿区榎町地域センター 工芸美術室
内容: 初号活字をつくろう! 「貘1973」制作プロジェクト

原字制作としては見切り発車だが、ひらがな48字は墨入れ、仕上げまで終わったことにして、3Dデータの作成へと進むことにした。
 手作業にこだわっている「貘1973」制作プロジェクトだが、この工程だけはパソコンの力を使わざるを得ない。とはいえ、どこかに依頼するのではなく、原字を制作した文字を担当者が自ら3Dデータ化するので、手作りに近い感覚である。

type17-1.jpg
昨年「謹賀新年」を作成した時のQuickTimeビデオを見ながら、Autodesk 123D Design での作業を確認。実質的には初めての作業となるので興味津々。

type17-3.jpg

type17-2.jpg
Autodesk 123D Design で実際にデータを作成。さまざまな数値の設定に悪戦苦闘。

今月中に3Dプリンターでの活字製作、印刷までを終わらせる予定だ。3月9日からの typeKIDS Exhibition での展示に向かって奮闘努力。
posted by 今田欣一 at 11:06| ワークショップへようこそ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月19日

初号活字をつくろう! January 2015

日時: 2015年1月18日(日) 17時30分−19時30分
場所: 新宿区榎町地域センター 小会議室
内容: 初号活字をつくろう! 「貘1973」制作プロジェクト

ひらがなの制作(仕上げ)
ひとり12文字ずつ4人で分担している「貘ボールド」のひらがな書体。ひととおり墨入れ、仕上げ作業まですすんだ。48文字を並べて、太さや大きさなどを担当者間で確認。

type16-1.jpg

type16-2.jpg

初めての体験で、烏口や溝引きになかなか慣れず、思い通りにはできてはいない。月1回2時間(しかも出席できないことが多い)ということで、練習がおろそかになったようだ。やはり用具の使い方をきっちりやるべきだったのだろう。
 「ひらがな」をやってみたいということだったが、曲線の多い「ひらがな」を最初に制作することは難しかったのかもしれない。漢字から入って烏口や溝引きに慣れてからのほうがよかったのかなあと思う。
 今回は、原字制作の難しさを認識したことが成果だ。それでも、樹脂活字製作、活字組版、印刷までやってみることにした。とにかく全工程を体験することが第一段階の目的だということにしよう。
 これで終わりということではなく、もう一度チャレンジすべきではないかと、現状の原字を見ながら思っているところである。
posted by 今田欣一 at 22:27| ワークショップへようこそ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする