2017年02月13日

白澤書体で写植文字盤をつくろう(二)

簡易文字盤「四葉」をもちいて写真植字用の文字盤をつくるというプロジェクトのサンプルとして、 フィルムに原字(仮想ボディ48mm)をデザインしたものを縮小して、「簡易文字盤 文樹・四葉 デザイン用紙」に貼付してみた。

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デザイン用紙という名称であるが、「原版」に当たるものである。初期のころには紙の原版も用いられていたが、製品となるものはガラス製の原版であり、テスト用でもフィルム原版だった。簡易文字盤としては、この台紙が用意されていた。
原字48mmを12.75mmに縮小する。これも製品の原版とは異なる寸法である。あくまで簡易なので、ユーザーのためにやりやすくしたものと思われる。印刷されたピッチにセンター・トンボを合わせて、「白澤中明朝体」「白澤太ゴシック体」「白澤太アンチック体」それぞれを一文字ずつ切り離して貼り込んでいく。これを仮想ボディ4.25mmに縮小してネガフィルムにして貼り込めば、簡易文字盤「四葉」の完成となる。
簡易文字盤「四葉」はこのようにして作ったという追体験をすることがこのプロジェクトの目的である。今回作成した「原版」は、だいたいこのようなイメージになるという説明のために作成したものだ。印刷された台紙をコピーして作ったものなので精度が著しく劣る。実際に制作するときには、精度のいい台紙を新しくつくろうと思っている。
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2015年10月18日

白澤書体で写植文字盤をつくろう(一)

簡易文字盤「四葉」をもちいて写真植字用の文字盤をつくるというプロジェクトのために、新しく試作しているのが「白澤中明朝体」「白澤太ゴシック体」「白澤太アンチック体」である。書体見本12文字について、フィルムに48mm角の原字でデザインしてみた。いずれはデジタルタイプに継承する可能性があると考えている。

白澤中明朝体

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写研・石井中明朝体と築地活版・五号明朝活字見本を結法の参考にした。

白澤太ゴシック体

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写研・石井太ゴシック体と築地活版・五号ゴチック活字見本を結法の参考にした。

白澤太アンチック体

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築地活版・五号明朝活字見本および五号ゴチック活字見本のイメージで、欧字書体のスラブ・セリフ体にあわせて、より現代的に解釈してデザインした。
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2015年03月08日

初号活字をつくろう! March 2015

●3Dプリンターによる樹脂活字製作
日時: 2015年2月22日(日) 16時45分集合
場所: 中野ブロードウェイ
    「あッ!3Dプリンター屋だッ!!」東京メイカー×ストーンスープ

今回はひらがな48本、漢字12本、計60本を製作するので、用意した3Dデータ(STLデータ)を東京メイカーに送り、出力しておいてもらった。素材は前回のテストで使用したのと同じABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを重合させてつくられる樹脂)だが、色はシルバーがなかったのでホワイトということになった。
予定の時間には出来上がっていて、無事に受け取ることができた。

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●Adana21J卓上活版印刷機による印刷
日時: 2015年2月28日(土) 12時45分集合
場所: 東京・表参道 東京アナログラボ
    
「いろはうた」を組んでみることにした。印刷機で一度には刷れないので、2回にわけることにした。

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●ひらがな1
いろはにほへと
ちりぬるを
わかよたれそ
つねならむ

●ひらがな2
うゐのおくやま
けふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせすん


東京アナログラボ所有のAdana21Jにセットして印刷してみる。

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表面が平滑でないため、きれいに印刷できない。表面をサンド・ペーパーで削り、なめらかにしてみた。印刷を繰り返しながら調整していった。さらに、テープで微妙に高さを調整していくことになった。何度か試行錯誤を繰り返したがうまくいかない。
いまさらながらパーソナル3Dプリンターの限界を感じたのであった。活字は、微妙な高さの違い、傾きがあると、ちゃんと印刷できないのだ。活字のボディの大切さ、活字組版の難しさをあらためて思い知ったのである。

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それでもなんとかしたかった。どうしてもはっきりと印刷したかったので、1行ずつ版をわけて印刷することにした。何度も、何度も調整して、すべての行を印刷し終えた時には、はじめてから10時間以上が過ぎていた。

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漢字かな交じり文も印刷する予定だった。ところが画数の多い漢字はつぶれてしまっており、きちんと印刷できないということがわかった。また、時間的にもむずかしかったので、今回は試し刷りの段階までということになった。

激闘に驚き
いつしか永機は
東の囲まれた室て
毛辺紙を調へる
※永機(1823-1904)は幕末・明治の俳人、毛辺紙は竹を材料とした紙の種類のこと

書体見本の12字をすべて使い切り、ひらがなを重複させないでできるだけ多く使うという条件で作った文案である。濁音・半濁音の文字がないのでやや苦しいが、だいたいのイメージはつかめると思う。


●typeKIDS Exhibition 準備

日時: 2015年3月7日(土) 15時15分−17時15分
場所: 新宿区榎町地域センター 大会議室B

今月の例会は、展示の準備にあてた。

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印刷に使った樹脂活字をきれいに拭いて、ならべて固定していった。印刷物はカードケースに入れることにした。ひらがなの下書き、原字はもとより、できているところまでのカタカナ、漢字の下書きもファイルに入れて展示することにした。


●typeKIDS Exhibition 搬入

日時: 2015年3月7日(土) 18時集合
場所: 東京・表参道 表参道画廊+MUSÉE F
    
表参道に移動して、展示作業。「初号活字制作プロジェクト」のコーナーは、白い展示台ということになった。

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展示物
1 下書き、原字のファイル
2 3Dプリンターによる樹脂製活字 ひらがな48字、漢字12字
3 印刷物(いろはうた、漢字ひらがな交じり文)
4 説明文



●typeKIDS Exhibition 展示

会期: 2015年3月9日−14日(土) 12時−19時(最終日は17時)
場所: 東京・表参道 表参道画廊+MUSÉE F
    
(おわり)


お知らせ
本ブログでの連載記事「初号活字をつくろう!「貘1973」制作プロジェクト」は、今回をもって終了することになりました。
プロジェクト自体はまだまだ継続します。ひらがなだけではなく、カタカナ、漢字、さらには欧字の制作が進行中です。これらが揃ってこそ、日本語の活字組版が実現されることになるのです。
しかしながら、パーソナル3Dプリンターの限界を感じたので、今後は新たな活字製作の方法を模索して行くことになるでしょう。初号活字ということにこだわらずにチャレンジを続けていきたいと思います。

※ブログ「typeKIDS」でときどきレポートしますので、ひきつづきお読みいただきたいと思います。
posted by 今田欣一 at 10:08| ワークショップへようこそ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする